
新日本プロレス「WRESTLE KINGDOM20」が1月4日、東京ドームで開催され、2021年東京五輪柔道男子100キロ級の金メダリスト、ウルフアロンがプロレスデビュー戦を衝撃の勝利を飾った。NEVER無差別級王座戦で王者EVILに12分53秒、逆三角絞めでレフェリーストップ勝ちした。
柔道男子日本代表監督、鈴木桂治さんの和太鼓に合わせてウルフは入場ゲートに柔道着で現れた。しかし、すぐに脱ぎ捨てると、そのいでたちは新日本の若手、ヤングライオン。黒いショートタイツに、それまでの長髪はこの日の朝に丸めた。4万6913人の観衆は大歓声でプロレスラー・ウルフを迎えた。
「これから先、もう柔道着を着て戦うことはないというアピール。頭は今朝、丸めた。入門した段階で決めていた」歴戦のEVILに真っ向勝負を挑んだ。ラリアット、パワースラム、この日、現役引退する棚橋弘至の必殺技ハイフライフローも繰り出した。ハウス・オブ・トーチャーからのイス攻撃、白粉の目つぶし、集団での暴行にも耐え抜いた。
最後は逆三角絞めで王者を失神させた。ベルトを巻き、リングで雄たけびをあげた。「今日、やっとプロレスラーになれました。これだけ大勢が見てくれる中で試合をしたのは初めて。体に力が入らなくなったときに意識とは別のところで体が動こうとする感覚があった」

昨年6月8日の大会を最後に柔道を引退してプロレス転向を発表した。特別扱いはなし。練習生として、裏方の仕事からスタートした。「大学時代にプロレスを初めて見た。戦うだけでなく、人に何かを伝えていくところに魅力に感じてのめり込んだ」。畳をリングに代え、新しいスタートを切った。
柔道着は脱ぎ捨てたが、23年間、歩んできた「柔の道」への想いは捨てていない。「柔道界の大先輩(鈴木桂治監督)が僕のことを送り出してくれたことは力になる。僕のバックボーンは柔道なので。おごってしまうと足をすくわれる。しっかり地に足をつけて成長する」と話した。
デビュー戦の舞台が棚橋の引退興行に重なったな。「本当に偶然で運命的なものを感じた。棚橋さんが最後に残してくれるものを目に焼き付けて、これからのプロレス人生の糧にしたい。目標はIWGP世界ヘビー級王座」と言い切った。
ウルフアロンのトレーディングカードはもちろん、これまでは柔道着のもの。だが、新日本プロレスは2012年よりブシロードグループに属しており、ブシロードからカードが発行されている。ウルフアロンもまだ、長髪で新日本プロレスのTシャルを着た練習生時代のカードが作られた。これはルーキーカードなのか、デビュー前なのでファーストプロレスカードなのか、ともかく、デビュー戦で王者になった今、これはお宝カードになりそうだ。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。ボブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のボブルヘッドライター(自称)。最近はトレカだけでなく、米国のリサイクルショップを回り、地元のアマ、プロチームの中古Tシャツ集めにはまっている。



























