
ノジマTリーグは11月8日、神奈川県のカルッツかわさきで、木下アビエル神奈川が京都カグヤライズと対戦。マッチカウント3-2で勝利して今季10勝目をあげた。第1マッチのダブルス、第2マッチのシングルスに登場した長﨑美柚は第2マッチでシングルス通算60勝目を記録し、Tリーグ史上初の「60-60(シングルスとダブルスで各60勝)」を達成した。
KA神奈川は前日の同カード第1戦に続き、国際大会出場中の張本美和を欠き、ジュ・ユリン、チェン・イーチンら今季の外国人選手も不在という苦しい状況。それでも、開幕から安定したパフォーマンスを見せる長﨑が魅せた。
長﨑は第1マッチのダブルスに岡田琴菜と組み先陣。工藤夢、出雲美空組をリードしていたものの、第2、3ゲームを奪われ、1−2の逆転で落としたが、第3マッチで田村美佳の鋭いコースを狙いストレート勝ち。今季リーグ戦シングルス6勝目で通算60勝に到達した。

ダブルスでもすでに通算60勝をあげ、今季、67勝まで記録を積み上げており「60-60」の大台を達成した。
「もちろんTリーグで勝つことも目指していますが、私の目標はオリンピックや世界選手権でのメダル獲得。なので、気づいたら『60-60』を達成していた、という感じです。左利きで、シングルスもダブルスも起用していただくことが多いので、自分の強みをもっと出していきたい。次は『70-70』を目指して、一つずつ階段を登っていきたい」と話した。
中澤鋭氏が代表監督に就き、王子嘉樹氏に代わった新体制の中でも、23歳のサウスポーは存在感を増している。新加入の外国人選手に声をかけ、若手選手にも助言を送るなど、コート外でも積極的にチームを支えている。
「私自身も海外のリーグでアウェー感を感じたことがありました。そうしたまま試合に入ると集中しきれない。選手がコートでやりやすい環境を作るには、普段のコミュニケーションから始まる。まずはチームに慣れてもらえれば、実力のある選手たちなので力を発揮してくれる」長﨑もまた、大きく成長した。
2023-24シーズンからTリーグの限定トレーディングカードを制作しているエポック社のオンデマンドカード「EPOCH-ONE」だが、実は2023年8月に「エポワン」第1号となったのが長崎だった。2023-24シーズンは7種、2024-25シーズンは9種、今季もこの日の「60-60」が4種目。まさに、Tリーグ「エポワン」のエースである。

また、この日、第2、ビクトリーマッチのシングルスで2勝をあげた平野美宇(木下アビエル神奈川)は、今季のシングルス勝利数を9に伸ばし、Tリーグ通算では70勝に到達。女子ではシングルス75勝を挙げている木原美悠(トップおとめピンポンズ名古屋)に続き、2人目の達成となった。この平野の今季10勝目も「エポワン」になった。

Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。ボブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のボブルヘッドライター(自称)。最近はトレカだけでなく、米国のリサイクルショップを回り、地元のアマ、プロチームの中古Tシャツ集めにはまっている。


























