MLBナ・リーグ地区シリーズ第2戦が10月6日、シチズンズ・バンク・パークで行われ ロサンゼルス・ドジャースがフィラデルフィア・フィリーズに4-3で勝利。対戦成績を2勝とし、リーグ優勝決定シリーズ進出へ王手をかけた。勝利の立役者のひとりになった佐々木朗希投手はポストシーズン2セーブ目。自身初セーブと2セーブ目をポストシーズンでマークするMLB史上初の快挙を達成した。
もう守護神といっていいだろう。1点リードの9回2死一、三塁で打席には首位打者のトレイ・ターナー内野手。フォークボールが暴投になれば、同点に追いつかれる場面で、あえて、初球はそのフォークから入り、2球目の内角99.3マイル(約159.8キロ)直球で二ゴロに。トミー・エドマン内野手の一塁送球がワンバウンドになったが、フリーマン内野手が救い上げてアウト。2球で大役を果たした右腕は、笑顔で大谷翔平らチームメートとタッチを交わした。
DS第1戦では5-3の9回から4番手として、初めてセーブシチュエーションでマウンドへ。最速100.8マイル(約162.3キロ)直球と落差大きいスプリット、わずか11球で強打のフィリーズ打線を封じた。1死からマックス・ケプラー外野手に右翼線二塁打を許したが、後続を打ち取って日米通じて初セーブをマークした。
ロバーツ監督は前日、オンライン会見で、佐々木の起用について「9回だけに固定されるような使い方はしたくない」としながらも、クローザーと呼ぶにふさわしいかの問いに「彼はその資格を得ている」と断言。「彼は、最も重要な場面で使うリリーバーの1人」と絶大な信頼感を示していた。
「セーブ」が公式な記録となった1969年以降で、キャリア最初の2セーブをいずれもポストシーズンでマークしたのはMLB史上初めての快挙だった。「彼(佐々木)のメジャーリーグでのキャリアの中でも最大の役割を果たした試合となった」とMLB公式サイトでは記録とともに、この試合での価値あるセーブを称えた。
MLBでは日本人投手がレギュラーシーズンで、2001年の佐々木主浩(マリナーズ)、2003年の長谷川滋利(マリナーズ)、2010年上原浩治(オリオールズ)が1球、2013年の藤川球児(カブス)が2球でセーブを記録しているが、ポストシーズンで投球10球未満のセーブは初、という記録にもなった。
「打たれてもしょうがないかなっていうか、割り切って。データは正直そこまで(頭に)入ってなかったので、自分の球で勝負することだけ考えて。(最後の二塁ゴロは自分が一塁の)カバーに行ってないなと思って(反省しています)。次から行きます」と話した。
TOPPSのオンデマンドカード「TOPPS NOW」では、4日の初セーブ続き、この日の2セーブ目もカード化。レギュラーシーズンでは東京開幕シリーズでMLB初登板、大谷翔平、山本由伸投手との日本人トリオ、MLB初勝利、の3種しか、作られなかったルーキーにとっては「異例」の連発となった。
佐々木の米国製トレカは、「SPORTS CARD INVESTOR」で圏外から「2025 Topps Chrome Sapphire Edition」が50位に、「2025 Topps Chrome」の499枚限定サインカードが106位に急上昇するなど、人気と市場価格が急騰している。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。ボブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のボブルヘッドライター(自称)。最近はトレカだけでなく、米国のリサイクルショップを回り、地元のアマ、プロチームの中古Tシャツ集めにはまっている。