米女子ゴルフツアー「AIG全英女子オープン」の最終日が8月3日、英ウェールズ・ロイヤルポースコールゴルフクラブで行われ、山下美夢有(花王)が、米ツアー初勝利を飾った。3バーディー、1ボギーの70で回り、通算11アンダーとし、第2ラウンドからの首位を守り切った。
ウイニングパットを沈めた山下は一瞬、目をつぶり、そして、ガッツポーズ。待っていた西郷真央や古江彩佳ら待っていた日本人選手らからシャンパンファイトで祝福された後、渡されたボトルのシャンパンを一気飲みした。
「歴史のある大会でここに立つことができてとてもうれしいですし、ここまですごい長かったですけど、たくさんの方々に支えていただいた。特に家族のみんなには一番近くで支えてきてもらったので、こうして優勝を届けることができてすごくうれしいです」と優勝インタビューで話した。
日本女子のメジャー優勝は6人目(7度目)で、全英女子オープンは19年の渋野日向子以来2人目。今季は4月の「シェブロン選手権」を西郷真央が制覇した。
日本のJLPGAツアーでは通算13勝。リンクス特有の強風に悩まされたが、2022、23年に2年連続の年間女王に輝いた実力を4日間、安定したプレーで発揮。2024年パリ五輪ではメダルこそ逃したが、4位に入るなど、世界を相手に戦えるメンタルの強さ、対応力も見せた。
今季から主戦場を米国に移した。150センチ、52キロの小さな体から放つドライバーの飛距離は200ヤード台前半だが、正確なショットやショートゲーム、マネジメントのうまさは山下ならでは。ツアー全体(前戦終了時)でフェアウエーキープ率は6位、平均パット数は11位、平均スコアは12位と上位にランクイン。「全米女子プロ選手権」で6位に入るなど、トップ10は7度目となった。
大阪・寝屋川市生まれで高校ゴルフの名門・大阪桐蔭を卒業。西郷、「全米女子オープン」で2度、優勝した笹生優花らと同じ2001年度生まれの「新世紀世代」のひとりで、ふたりに「結果」でも追いついた。
4位から出た勝みなみ(明治安田)は4バーディー、1ボギーの69をマークし、通算9アンダーで山下と2打差の2位タイ。同じく4位から出た竹田麗央(ヤマエグループHD)は2バーディー、1ボギーの71で回り、通算7アンダーの4位に。メジャー大会のトップ5に日本勢3人が名を連ねる快挙となった。
日本勢の躍進が際立つ米ツアー。米国のトレーディングカードでも期待される。UPPER DECK社の「2024 PORTFOLIO」には笹生のカードが収録された。UD社の各ブランドを集めた「PORTFOLIO」だが、笹生のカードも各種が封入され、シリアルナンバー入りカード、直筆サインカードもある。来年の発売が発表されたUD社の「ALLRE GOLF」には松山英樹のサインカードも入るなど、米国のトレカ業界でも日本人ゴルファーの存在感が高まる。山下のカードもUD社から発売される可能性がありそうだ。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のバブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。