中日ドラゴンズの中田翔内野手が今季限りで現役を引退することを発表した。
ドラゴンズに移籍してから2年。プロ18年目の今季はファーム調整を経て8月7日に一軍再登録されるも、3打席のみで8月12日に出場選手登録を抹消されていた。ここまでの今季の成績は25試合で打率.161、2本塁打、4打点だった。
大阪桐蔭高では1年夏から主力として活躍し、高校通算87本塁打。1、2年夏、3年春に出場した甲子園でも通算4本塁打をマークした。2007年のドラフトで、高校生ドラフト1巡目で北海道日本ハムファイターズ、阪神タイガース、オリックス・バファローズ、福岡ソフトバンクホークスの4球団が競合。ファイターズが単独交渉権を獲得し、入団。「ミスター・ファイターズ」田中幸雄さんの背番号「6」をいきなり、背負った。
プロ入り後は、札幌ドーム歴代最多97本塁打や3度の打点王に輝いた。ダルビッシュ有、大谷翔平らとともに、3度のリーグ優勝と1度の日本一にも導いた。
侍ジャパンでも2013年、17年のWBCと2015年のプレミア12に出場。打点王3度の勝負強さで、2015年のプレミア12で打率.429、3本塁打、15打点。1次ラウンドのメキシコ戦でサヨナラ打、ドミニカ戦で決勝適時二塁打、米国戦で勝ち越し3ラン。オールワールドチームに選出された。2017年のWBCでは3戦連続アーチを放った。
2021年途中に巨人に移籍すると、2023年オフには出場機会を求めて中日へ移籍した。
2022年に通算1000打点、2023年に通算300本塁打を平成生まれで初めて記録。ここまでの通算309本塁打は現役2位だった。3度の打点王のほか、ベストナイン5度、ゴールデングラブ賞5度にも輝いた。
8月15日には、本拠地のバンテリンドームで引退会見を行った。「自分自身が満足のいくスイングができず、思いどおりに体が動かないというのを感じていた。これ以上、チームに迷惑をかけられない。(後悔を)1つあげるとしたら中日に対してまったく貢献できなかったのは申し訳ない気持ちでいっぱい。プレーした3球団とも大好きなチームで、ユニフォームを着られて幸せだった。僕にとって野球は宝物だ」と話した。
会見後にはサプライズで大野雄大投手、ブライト健太外野手らドラゴンズの10選手が登場。花束を受け取ると涙をにじませた。
エポック社のオンデマンドカード「EPOCH-ONE」ではこのサプライズ引退会見をカード化。周囲から慕われた中田らしさが伝わる1枚となった。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。ボブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のボブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。