ラグビーの「リーグワン」はプレーオフトーナメントの決勝が6月1日、国立競技場で行われ、東芝ブレイブルーパス東京がクボタスピアーズ船橋・東京ベイに18-13で競り勝ち、2連覇を果たした。リーグワンがスタートした2022年のシーズン以降、連覇を達成したチームは初めて、となった。
リーグ戦1位のブレイブルーパスと3位のスピアーズの顔合わせとなった頂上決戦。ラグビー人気を証明するように、5万1000人余りの観客が声援を送った。
ブレイブルーパスは前半8分、サイドへの展開からニュージーランド代表「オールブラックス」のスタンドオフ、リッチー・モウンガが自ら持ち込み、先制トライ。その後は互角の攻防が続き、前半の追加の得点はペナルティーゴール(PG)。ブレイブルーパスが8-6とリードして折り返した。
後半、ブレイブルーパスはモウンガの抜け出しからウイングの森勇登がトライ。少ないチャンスを得点につなげ、18-6とリードを広げた。
スピアーズも終盤、強力なフォワード(FW)陣を中心にトライラインに迫り、32分には相手の反則で得たチャンスでパスをつなぎ、日本代表の立川理道のトライなどで5点差まで追い上げた。
それでも、ブレイブルーパスは最後まで集中力を切らさず、18-13で逃げ切った。
この試合のMVPにあたる「プレーヤー・オブ・ザ・マッチ」にはモウンガが選ばれた。「準決勝で右手を骨折し、この1週間は練習もできず痛みも残っていたが、勝ちたかったのでプレーすることを選択した」と強行出場だったことを明かした。
「先制のトライはスペースもあり、自分のフットワークが使えると判断して、感覚的に飛び込むことを選択した。連覇はうれしいし、しっかりと努力して勝つべくして勝った結果だと思っている」と話した。
ブレイブルーパスのロック、ワーナー・ディアンズは「思っていたよりきつい試合だった。相手にフィジカルで負けないことにフォーカスしてこの試合に入ったので、それができてよかった。連覇は気持ちいい。来年も優勝します」と話した。
さらに、ブレイブルーパスのキャプテン、リーチ マイケルは「一戦一戦、学びの多いシーズンだった。コーチ陣に感謝しているし、連覇できたのは試合に出ていないメンバーのサポートがあったおかげ。きょうはほぼ満員の会場でプレーできて幸せな時間だった。見ていておもしろい試合だったと思うので、引き続きリーグワンをよろしくお願いします」と話した。
リーグワンのトレーディングカードはBBMから発売されてきた。昨年12月には、初の単独チームカードとして、ブレイブルーパスの優勝記念セット「勇士猛狼」も作られた。連覇を記念したセットが再び、作られることを期待したい。BBMのオールスポーツカードにも収録されることがあり、今年の「Infinity」には期待大だ。魅力は何と言っても、前に進むことを目標に、パワーとスピードを競う、ラグビーというスポーツの面白さ、と世界のスター選手がリーグワンに集結していることだろう。
コベルコ神戸スティーラーズには、2025-26シーズンから「オールブラックス」のアーディ・サベアが加入するなど、まだまだ、スター選手は増えそうだ。
さらに、リーグワンでは2026-27シーズンから選手契約および登録に関する規程において、選手登録における登録区分に、新たなカテゴリを追加することを決定した。
追加カテゴリは、日本の小中学校における義務教育期間(9年間)のうち、国籍に関わらず、6年以上を日本国内で過ごした選手を対象とするもので、リーグワンによると「日本国内の小中学校年代を含む若年層の競技者が、より一層リーグワンでのプレーを具体的な目標として捉え、競技への参加意欲を高め、国内の競技人口増加、そして日本ラグビー全体の普及と発展に寄与することを目指します」としている。
進化を続けるリーグワン、そして、リーグワンのトレーディングカードも前進を止めることはない。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。ボブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のボブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。