WWE「RAW」が6月16日、米ウィスコンシン州グリーンベイ・レッシュセンターで行われ、「女帝」ASUKA(アスカ)が13か月ぶりに復帰。「クイーン・オブ・ザ・リング」トーナメント1回戦を勝利して、アレクサ・ブリスが待つ20日の準決勝へ駒を進めた。
ASUKAは2024年5月のプレミアム・ライブイベント(PLE)「バックラッシュ」でWWE女子タッグ王者として「カブキ・ウォーリアーズ」のカイリ・セインとともに、ビアンカ・ブレア、ジェイド・カーギル組と対戦した際に古傷の左膝を痛め、手術。リハビリに努めていた。
アイビー・ナイル、ラケル・ロドリゲス、ステファニー・バッケルとの4WAYマッチに、お馴染みの登場曲が流れると、大歓声で観客は復帰を歓迎した。日本で「華名」として10年間、リングに上がった後、2015年に渡米しWWEと契約。NXT女子王座を獲得するとWWE記録の174連勝を飾るなど活躍。パワフルでスピードのある攻撃でWWEの女子部門を実力勝負のマットに変え、グランドスラムも達成。「女帝」と呼ばれるようになった。
「クイーン・オブ・ザ・リング」は「RAW」と「SMACK DOWN」の2大ブランドのスーパースターが集う大会。3人の攻撃を真正面から受け止めた「女帝」だったが、うなりをあげるキックは健在。最後は、リア・リプリーが乱入して、前回のトーナメントで邪魔をされたラケルをリング外で、必殺の「リップ・タイド」でKO。リングに放り込まれたところを、ロープに走ってからの「エンプレス・インパクト」(ヒップアタック)。15分49秒、スリーカウントを奪った。
試合後には、異例のリング上での勝利インタビュー。さすがに1年以上のブランクで息があがったのか、久しぶりの勝利に感慨深かったのか、ASUKAはすぐには答えられない。一瞬、間をおいて「炎は消えていない。燃え続けている。クイーン・オブ・ザ・リングの座に輝くのは私だ! 誰もASUKAを止められない」と絶叫した。
「クイーン・オブ・ザ・リング」は決勝が6月28日、サウジアアラビア・リヤドのキングダムアリーナで開催される。この日はタイトルマッチも目白押しで「WWEナイト・オブ・チャンピオンズ」として男子の「キング・オブ・ザ・リング」の決勝とともに開催。勝者が「サマースラム」(8月2、3日・米ニュージャージー州イーストラザフォード・メットライフスタジアム)でWWE女子の最高位王座に挑戦する権利を得られる。
もはや、WWEの殿堂入りが確実なASUKAだが、トレーディングカードでもWWEの発展や人気アップに貢献してきた。そのオリジナルの、面を使った入場シーンはとくに多くカードになってきた。今回の劇的な勝利は早速、TOPPS社のオンデマンドカード「TOPPS NOW」でカードになったが、やはり、使われた写真はASUAKAの代名詞ともいえる入場シーンが多かった。
WWEのトレカの制作・販売の権利が一時期、PANINI社に渡っていたこともあり、ASUKAの「TOPPS NOW」登場は5年ぶりと見られる。
「TOPPS NOW」にとどまらず、パワフルでカラフルなASUKAのトレカの今後の展開も楽しみだ。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。ボブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のボブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。