バスケットボール男子日本代表の富永啓生は7月6日、NBAインディアナ・ペイサーズより「エグジビット10」の契約オファーを受け、受諾することを発表した。富永のマネジメントを担当する株式会社インディペンデンスが明らかにした。

富永は今春、ネブラスカ大を卒業。サクラメント・キングス、ロサンゼルス・クリッパーズ、シカゴ・ブルズのワークアウトに参加したが、NBAドラフトでは指名されなかった。パリ五輪に向けて日本代表活動に専念すると明かし、NBAサマーリーグに参加する予定もないことを発表していた。

開幕前のキャンプ参加を想定した「エグジビット10」は2017年に「2Way契約」制度と同時に導入されたもので、ドラフトなどでもれた若い才能が海外に流出するのを防ぐことが目的のひとつ。各チーム最大で6名の選手と契約でき、キャンプ参加後、シーズン開幕までにNBAと下部のGリーグを行き来することができる「2Way契約」に切り替えることが可能となる。

リーグで定められた最低年俸での1年間契約も契約事項に含まれているが、シーズン途中で契約が打ち切られても年俸は保証されない。ただ、2020年には、来季からのBリーグ参戦が決まっている、日本代表・渡邊雄太がトロント・ラプターズと契約した際に「エグジビット10」を締結。この契約を機に、NBAで6シーズン、プレーした。

富永はこの日、東京・有明アリーナでのパリ五輪へ向けた日本代表の国際強化試合、対韓国戦に出場した。得意の3ポイント警戒され、得点も6点止まり。試合も84-85で敗れた。

試合後には「第一歩。これからが本当のチャレンジの始まり。大きなチャレンジになる。楽しみでいっぱい。ほかにもオファーがあって少し悩んだけど、これからは自分でどれだけアピールできるかになってくる」と話した。渡邊にも相談したそうで「彼の経験もいろいろ聞いた」。ペイサーズは昨季カンファレンス決勝敗退の強豪で、「ここ（日本代表）のバスケットスタイルに似ているので、その部分で自分にもフィットするんじゃないかと思う」と期待を口にした。

富永は愛知・桜丘高から米レンジャー短大に進学、2021年にネブラスカ大に編入。ロングの3ポイントが得意で、3ポイントの名手、ステファン・カリーにちなみ「和製カリー」とも呼ばれた。同大の全米大学選手権（NCAAトーナメント）出場にも貢献した。

富永のトレーディングカードはバンダイ「AKATSUKI JAPAN ツインウエハース」に初めてのカードが収録され、話題になったばかり。また、この日、PANINIのオンデマンドカード「PANINI INSTANT」のネブラスカ大セットが発売され、注目を集めた。このセットは17種入りの125セット限定で、チームメートともに富永のカードが含まれている。ネットオークション「eBay」には、この限定セットが200ドル（約32,000円）、富永のシングルカードが100ドル（約16,000円）から出品されている。

Cove（ライター）
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のバブルヘッドライター（自称）。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。