FIFA女子ワールドカップ オーストラリア&ニュージーランドで8月5日、決勝トーナメントの1回戦が行われ、日本代表「なでしこジャパン」がノルウェーを3-1で下し、準優勝した2015年以来、2大会ぶりのベスト8進出を決めた。
1次リーグを3連勝で突破した世界ランキング11位の日本に対して、ノルウェーは世界ランク12位で、日本と同様にW杯での優勝経験もある強豪。
日本は前半15分にMF宮澤ひなたのシュートが相手のオウンゴールを誘い、幸先よく先制した。
だが、その5分後に左サイドを突破されて、クロスボールを上げられるとMFグロ・レイテンに頭で押し込まれ、追いつかれた。レイテンはチェルシーでプレーするスター選手で、大会前にはFIFAの公式HPで「ノルウェー代表で注目すべき5人」として紹介された。PANINI社のステッカーにもなっている。
今大会で初めて失点を許した「なでしこジャパン」だったが、後半5分に、DF清水梨紗がペナルティーエリアの中でボールを奪うと落ち着いて決め、再び勝ち越し。
「前半からいいボールがたくさん来ていたので、いつか自分のところに来ると思って走っていた。落ち着いて打とうと思っていたので、うまくゴールに入ってくれてよかった」と清水は振り返った。「きょうも同点になったときに誰もネガティブになっていなかった。本当にいい雰囲気で、全員が同じ方向を向いているので、どんどん勝ち上がっていきたい」とメンバーの気持ちを代弁した。
そして、後半36分にはカウンターからディフェンスの背後に抜け出した宮澤が試合を決定づけるゴール。宮澤は今大会5得点目となり、日本が優勝した2011年のドイツ大会で澤穂希さんがマークした日本選手の1大会での最多得点記録に並んだ。通算のゴール数でも歴代の日本選手で3位となり、今大会の得点ランキングでも単独トップに立った。
「厳しい時間が続いていた中で、うまく抜け出せて冷静に流し込めた。(今大会5得点目は)まさかここまで点が取れるとは想像していなかったし、本当にみんなのおかげで取れている。これからもっと厳しい戦いがあると思うので、しっかり得点だったりアシストだったりチャンスメイクの部分でもチームに貢献できれば」と話した。
1点こそ失ったが、GK山下杏也加が好セーブを連発し、試合終盤にはノルウェーの猛攻を守り切った。
「身長の高い選手が相手にそろっている中で、試合終盤にああいう形でクロスボールを放り込んでくることは予想ができていたのでしっかり準備ができた。今までやってきたことを継続していけば、きっといい結果はついてくると思うし、次の試合は中5日なのできょうの課題を修正できるとポジティブに考えていい準備をしたい」と早くも次の試合を見据えた。
「きょうのゲームは本当にタフなゲームを予想していた。選手たちにはノックアウトステージのしびれる試合だが自分たちの持っているものをどんどん出してアグレッシブに戦おうと話をしていた。ノルウェーも自分たちの強みを生かしてくる場面もあったが、選手全員がハードワークをしてくれた。最初に攻めの糸口を見つけられないこともあったが、後半いろんな修正をして、追加点を奪えて勝利につなげられてよかった」と池田監督。
「なでしこジャパン」は8月10日にニュージーランドのオークランドで行われる準々決勝に臨む。準々決勝の相手は3連覇を狙う世界ランキング1位のアメリカと同3位のスウェーデンの勝者となる。
2大会ぶりのベスト8で、なでしこジャパンのトレーディングカードも盛り上がっている。とくに宮澤のカードは人気で「ヤフオク!」ではレギュラーカードも立て続けに落札され、EPOCH「2022 日本代表 スペシャルエディション」の60枚限定直筆サインカードが10,500円で落札された。このサインカードはMINTモールでの販売履歴と比較すると約3倍の価格となっている。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のバブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。