NFLベンガルズのQB、ジョー・バロウが12月2日、左ひざの手術を受けた。バロウは2020年のドラフト全体1位のルーキーで、11月22日の対ワシントン・フットボール・チーム戦の第3クオーターに負傷。左ひざの前十字靭帯と内側側副靭帯の断裂と診断され、シーズン終了を待たずに、ルーキーイヤーを終えていた。
バロウは今季、10試合に出場し パス成功率65.3%、試合平均268.8パスヤード、タッチダウンパス13回を記録。AFC北地区で断トツの最下位に沈み、人気もそれほど高くはないチームに所属していることもあり、数字的にも大活躍、とはいえなかったが、人気ルーキーとして存在感は見せていた。
オハイオ州立大でカレッジ・フットボール史上初となる全勝優勝を果たし、ハイズマン賞にも輝いたバロウのカードは全体1位指名という箔もつき、高額で取引。故障直前のベケット「スポーツカード・マンスリー」12月号ではホットリストの2位にパニーニ「ナショナル・トレジャーズ」の99枚シリアルのジャージー&直筆サインがランクイン。20位までに7枚が入っていた。大手ネットオークションのE-Bayでも100万円以上の落札額がついたものもある。
手術の成功を報道した米国メディアはこぞって、2021年のシーズンに間に合う可能性も示唆した。だが、これまで通りのプレーができるまでには時間がかかる、という慎重な意見もある。故障してから、バロウのカードの動きは鈍くなったのは事実で、ファンやコレクターにとっては、偽らざる思いの証明だろう。ちょうど、MLBエンゼルスの大谷翔平投手がルーキーイヤーに故障した状況と似ているが、大谷は打者としてある程度の結果を残したために、カードの大暴落は抑えられた。
米国人はシンデレラストーリーや感動的な復活ドラマがとくに好き、と言われている。バロウが劇的なカムバックを果たせば、カードの人気はルーキーイヤー以上に上がる。そう考えると、バロウのルーキーカードは今が買い、なのかもしれない。いずれにせよ、プレーできない選手の動向がここまで注目を集めるのは珍しいことだ。
トレカジャーナル編集部